うつの治療には、薬を使うのが一般的です。抗うつ剤というものが昔から存在していて、精神科ではよく使われてきました。今でも新しい効果が得られるものや、副作用の少ないものが開発され続けています。昔はなかった便利な薬まで出てきているので、一時的にうつ状態を改善させることはかなり容易になってきました。抗うつ剤を使う目的は、もちろんうつ状態の改善にあります。薬を飲めば気分が明るくなって、普通に社会生活を送れるようになりますから、仕事をしている人などには必須のものとなります。薬以外の治療法もあるにはあるのですが、即効性という面においては劣っています。ですから、まずは薬を使うのが一般的になってきています。威力の強い三環系抗うつ剤や、威力は弱いけれど副作用の少ない四環系抗うつ剤などもありますし、威力と副作用のバランスが良好なSSRIなども用意されています。昔は命に関わるような重篤な副作用も見受けられたのですが、SSRIなどを使えば、そうした重い副作用に悩まされる心配はほぼありません。安全性は年々高まってきていますし、副作用もほとんど気にならないレベルに落ちついています。あっても眠気に襲われやすいとか、体重が増加しやすくなるという程度のものです。こうした薬は、基本的にはセロトニンという物質の取り込みが阻害できるようにと設計されています。服用をするだけで、一定の効果があるので非常に便利です。手っ取り早くうつ状態から抜け出したいなら、まずは薬を飲むというのが一般的ですね。もちろん長期的には他の方法も使ってうつを治していくのですが、今の時代は薬の比重がかなり大きくなっています。様々な薬がありますが、どれを使っていくかは、医師と患者の相談で決めていきます。うつ状態は個人個人で差がありますし、どの薬がベストなのかは体質によっても変わってきます。最善のものが何かは、臨機応変に手探りで見つけていくこととなるでしょう。抗うつ剤の中でも、SNRIというものは、意欲減衰を防いでくれるということで重宝されています。うつ症状の中で最もやっかいなのは意欲減衰です。これのせいで学校に通いたくなくなったり、仕事がしたくなくなったりします。気分の低下は許容できても、無気力になってしまうことだけは避けたいという場合は、SNRIを使えば効率的かもしれません。