今の日本においてうつ病は深刻な社会問題であり、うつ病を抱えている人は100万人以上いると言われています。原因は学校でのいじめ、過度な労働など様々ですが、日本人は病気を隠し無理をする傾向があり、その結果年間一万人以上の人がうつ病が原因で自殺しているというのも事実です。そんな日本人に是非とも知ってもらいたいのが、今回紹介する「抗うつ剤」です。簡単にいうと抗うつ剤とは、うつ病のつらい症状を和らげてくれるものです。薬を飲むだけでうつ病が治るのかと疑問をもつ方もいらっしゃるでしょうし、従来うつ病などの精神疾患は自分で治すものだと考えられてきました。しかしながら、この薬剤は実際に効果が認められており、抗うつ剤の服用をすることでうつ病が改善し、仕事に復帰した例も見られています。抗うつ剤の一番のメリットは症状の緩和と回復の促進です。うつ病の症状はかなりつらいもので、精神的な苦しみに加えて、食欲不振や自傷行為からくる二次的な肉体の苦しみもあります。抗うつ剤は精神的な苦しみを緩和し、それに加えて二次的な肉体面の苦しみが訪れるのを防ぐ可能性を持っています。また個人差はありますが、うつ病からの回復を促すこともあり、人によっては通常全治までに４ヶ月かかる予定だったものが、半分の２ヶ月で完治することもあります。これは患者にとって非常に嬉しいことであります。患者にとって嬉しいメリットはまだまだあります。費用面でも抗うつ剤を使った治療は優れているのです。例えば、カウンセラーとコミュニケーションをとることで回復を目指すカウンセリング療法は保険対象外であることが多く、一回のカウンセリングで5000円以上かかる場合もあります。それに比べて、抗うつ剤による治療は保険対象であり、カウンセリングよりも安価であり、患者のお財布にも優しいのです。また症状の重い患者は人との接触を拒み、カウンセリングを行なおうとするカウンセラーとのコミュニケーションが取れないことがよくあります。そのような人々に効果的なのがこの抗うつ剤で、これさえあればコミュニケーションをとることなくうつ病を治すことが可能なのです。このようにメリットの多い抗うつ剤ですが、その一方で注意点も存在します。先ほども述べたとおり、効き方に個人差があり、中には効き目の薄い人もいらっしゃいます。また食欲低下、吐き気などの副作用もあり、用法用量を守らないと健康に被害をもたらす場合もございます。それらを踏まえた上で抗うつ剤を使っていくことが大切です。